Q&A

再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは何ですか。

「エネルギー供給業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」で 「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱、波力・潮力、 温度差その他の自然界に存在する熱、バイオマスが再生可能エネルギーと規定されています。

バイオマス

バイオマスとはどういうものですか。

バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」です。 樹木は太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から樹木が光合成によって生成した有機物であり、 私たちのライフサイクルの中で生命と太陽エネルギーがある限り継続的に再生可能な資源です。 石油等の化石資源は地下から採掘すれば枯渇しますが、樹木は太陽と水と二酸化炭素があれば、持続的にバイオマスを生み出すことができます。
このため、樹木などを燃焼させた際に放出される二酸化炭素は化石資源を燃焼させて出る二酸化炭素と異なり、 樹木の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素であるため、バイオマスは大気中で新たに二酸化炭素を増やさない「カーボン・ニュートラル」な資源と解釈されています。
また、バイオマス(biomass)はファイトマス(phytomass)とも呼ばれ、「生物資源」や「生物由来資源」と訳されることが少なくありません。 広い意味では、光合成によってつくられるすべての有機物質と定義されています。そういう意味でも環境保全の一つの大きな位置付けになると考えています。

バイオマス発電

バイオマス発電にはどういう種類があるのですか。

バイオマス発電といってもいろいろあります。「下水汚泥」「家畜糞尿(ふんにょう)」などをガス化してエンジンを回して発電するもの、 山林の木材、公園や街路樹の剪定枝(せんていし)などの木材チップを燃やして蒸気を起こし、タービンを回して発電するものがあります。
バイオマス発電は火力発電所の位置付けです。当社は、木材チップを主燃料とした発電設備を採用しますので、下水汚泥や家畜糞尿は扱いません。

電力の固定価格買取制度

電力の固定価格買取制度について教えてください。

平成24(2012)年7月から、電力の固定価格買取制度(FIT)がスタートしました。 これにより電気代の請求の中に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として、電力会社による再生可能エネルギー買取費用が電力料金に転嫁され、 皆様に一部負担をお願いしています。いわゆる「再生可能エネルギーを普及していこう」という国の政策に基づいた法律が施行されたのです。
バイオマス発電で言えば「下水汚泥」「家畜糞尿(ふんにょう)」をガス化した1kw/h当たりの買取価格は39円+税、 パームやし殻(いわゆるPKS)を含む一般木材は24円+税、一般廃棄物に含まれる公園や街路樹などの剪定枝等の廃棄物系バイオマスは17円+税、 建設資材廃棄物は13円+税で、いずれも買取期間は20年で始まりました。
これまで一般家庭への電力供給は一般電力会社からの電気供給しかありませんでしたが、法律の改正により新しい企業が自由に電力事業に参加できるという法制度の整備も同時に進んできました。
固定価格買取制度による電力の価格ですが、国は国民負担額を下げるために平成30(2018)年から一般木材について「入札制度」を導入しました。 詳しくは、資源エネルギー庁のホームページをご覧ください。

燃え殻の処理と再利用

燃え殻はどのように処理されるのですか。

通常は産業廃棄物の許可をもっている業者に処理を委託しますが、当社では燃え殻の再利用の研究に取り組んでいます。
一つめは、特殊肥料の原料としての利用です。特殊肥料については、成分調整がありますのであくまで原料の一部です。どちらかというとPHが高く 強アルカリとなるので、酸性土壌の中和に効果があると考えています。特殊肥料の利用については行政の指導を受け、 実際の成分分析に関しては毎月分析をかけてからの利用となります。
二つめは、土壌改良剤としての利用です。当社のバイオマス発電所は、投入する燃料は生木とパームやし殻(PKS)を想定していますのできれいな灰しか出ません。最後に残った灰までゴミにせず、資源として有効に利用しようと研究しています。

地元の雇用

地元の雇用についてお聞かせください。

電気主任技術者、ボイラー・タービン主任技術者、公害防止管理者等、資格が必要な職種があります。 有資格者の採用に関しては、資格所有者の採用応募が第一義となります。 一般雇用に関しては発電所を20年以上にわたって運営していきますので、できるだけ地元の方を優先して採用し 末永く一緒に働いてほしいと考えています。
バイオマス発電所の施設内では、タイヤショベルなどの作業に免許が必要です。 全部が全部、資格が必要な職種ではありませんが、資格が必要な人材が一部必要になることをご理解していただきたいと思います。

地元の高校や大学等を卒業する人たちの人材育成についてお聞かせください。

第1種ボイラータービン主任技術者は高専、大学機械系、短大機械系を卒業の方、第2種電気主任技術者は電気主任技術者認定校(高専電気系及び大学工学部電気系) で必要な単位を取得して卒業された方、あるいは国家試験で合格になった方等は技術者養成の採用を考えています。
最終的には地元で操業していくわけですから、地元の人間で固めていきたいという当社の思いもあります。 長期的な操業の中で人も同時に育てていかなければなりません。一般雇用に関しても、高卒や大学の新卒の若い方々の採用を十分に考えています。 20年、30年と非常に長い操業期間となります。地元としっかりとコミュニケーションをとりながら操業していきます。

水の確保・処理

発電所の水はどのように確保するのですか。

プラントによって変わってきますが、水冷方式であれば毎日約1,000~1,400トンの水を使用する予定です。 一般的な話ですが水の確保は行政と相談しながら計画を進めていきます。
水は、ボイラーで蒸気にしてタービンを回した後、冷却して再び水に戻します。戻した水は発電所内の排水処理施設で、 水質汚濁法に基づく基準値内に処理し河川に放流します。水の調達が困難な場合は空冷方式の採用も検討します。

木材の調達

燃料となる木材はどこから調達するのですか。

バイオマス発電所の運営は、地域で燃料がどれだけ集められて、どれだけの規模の発電ができるかが重要です。 バイオマス発電所を基点として、およそ100キロ圏内からの調達を考えています。それ以上遠いところから調達しますと、 せっかく排ガスをなるべく出さないことを検討しているのにトラックの排ガス量が多くなってしまいます。
当社は単独の山からの未利用材だけを燃料として使うのではなく、もう少し裾野(すその)を広げ公園や街路樹で発生している剪定枝(せんていし)、 工場から出る使い道のないバーク(木の皮)等を燃料に利用しようと考えています。 広く地域から集めた燃料で発電していく発想で事業を計画しています。

どこから調達した木材かという証明書はありますか。

すべての燃料がどこから来たか説明できなければ制度上、電気の請求を国に対して行うことができません。 すべての燃料について一連の書類が交付されて発電所に納品されてきます。

環境アセスメントの対応

環境アセスメントではどのような項目を調べるのですか。

大気(窒素酸化物(Nox)、硫黄酸化物(Sox))、騒音・振動、水質について、現在の状態を把握して、 発電所が操業したときに環境にどのような影響があるのかをシミュレーションします。
各種法令の基準値以下の運転ができる仕様プラントにします。法律に基づく年2回の測定はもちろん、 地域に根ざして操業する事業者として自主的に継続的にデータ収集し、その結果は地域と行政に開示します。

防虫処理を施したPKS(パームカーネルシェル)を燃やす場合、環境に影響はありませんか。

PKS(パームカーネルシェル)は、外国の港で必ず燻蒸(くんじょう)してから日本に輸出します。 薫蒸材は燃焼したときに環境に影響がない薬剤を使用します。

発電所から出る煙について教えてください。

ボイラーで発生するガスは、バグフィルターという設備ですべての灰を取り除き温度を170度ぐらいまで 下げてから煙突を介して大気に放出します。夏場は煙は全く見えないと思います。 冬場は外気温が低いので白い水蒸気が見えますが、白い雲のような色でしたらボイラーで完全燃焼し、 灰などの不純物は混ざっていないと言えます。もし、黄色や灰色がかかっていたら不完全燃焼の可能性がありますので早急に対応策を講じます。
当社では1年をかけて現状の大気の状態を調査します。風向き、温度、湿度を含めて、 現状はどういう状況なのかを把握したうえで煙突の高さを検討します。 こうした環境アセスメントによる調査結果を反映させながら施設を建設します。

発電所内の通行

発電所内の道路等は地域の住民も通行してよろしいのですか。

発電所内では大型の機械や車両が動いていて危険な場所もあります。通行することはできません。 施設周辺には安全のためにフェンス等を設置します。 施設の見学は事前に申し出ていただければ日時を相談のうえご案内いたします。

操業後の工場の耐用年数

工場の設備の耐用年数は何年ぐらいですか。

プラントは年々劣化していきます。法で定められている定期点検以外に、事業者自らが行う自主点検を年2回定期修繕として行います。 また、部品の交換などの大規模改修などのほか、保守計画を立てています。発電所の心臓部分であるタービンは設備・規模にもよりますが 30年間の耐用年数があると考えています。

工場の撤退

固定価格買取制度で定められた電気の値段が下がると事業から撤退するのですか。

土地を購入し、地盤を改良し、プラントを設置し、鉄塔を立て、送電線を敷きます。20年間で収益が出るように計画していますので、 途中で事業から撤退することはありません。固定価格買取制度で木質燃料の値段が下がったとしても、更なる経営努力で操業していきます。 公共性の高い事業ですから、事業を継続する強い決意で取り組んでいきます。

操業後の燃料の転換

燃料としてゴミを受け入れたりすることはありませんか。

当社が計画しているボイラーは木質燃料を入れるという仕様で造りますので、 違う燃料を入れるとボイラーが故障する恐れがあるため、ゴミを受け入れたりすることはありません。

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